心身の健康を害する「VDT症候群」から子供を守りたい…スマホやパソコンが要因に
VDT症候群の原因は長時間のスマホゲームや動画視聴などさまざまだが、日野氏が指摘するのが学校現場におけるICT(情報通信技術)教育化だ。
「文科省が推進する『GIGAスクール構想』の実施に伴い、2020年ごろから全国の小中学校に通う児童に対し、1人1台の学習用タブレット端末が支給されました。学校によってはすべての科目でタブレットが使用され、そうなると1日5~6時間は手元の画面を見ることになります。子供はまだ目の機能の発達が十分でなく、大人に比べて眼筋の柔軟性が高い。長時間にわたって画面を見続けていても目の疲れを自覚しにくく、気付かないうちに目に負担が蓄積されやすいのです」
VDTによる目や心身の不調は、適切な環境整備によって予防が可能だ。
スマホやタブレットを見る際は、部屋の明かりを必ずつけ、画面の明るさは本人がまぶしさを感じず、かつ暗すぎない程度に適宜調整する。
また、横になった姿勢でスマホを操作すると、画面との距離が近くなりやすい。椅子にしっかりと腰をかけ、画面との距離は30~40センチ離れるのが理想だ。