心身の健康を害する「VDT症候群」から子供を守りたい…スマホやパソコンが要因に
「先述した通り、子供は目の疲れを自覚しにくい。画面を凝視する作業は長時間の連続にならないよう30分に1回は休憩を挟み、その都度、窓の外の遠くを眺めるなど、目を休ませる習慣を身に付けるといいでしょう。また、市販のホットアイマスクは、目元の血流が促されて眼筋の緊張をほぐしてくれるうえ、リラックス効果により睡眠の質も改善されやすいのでおすすめしています」
■急性の「斜視」も増加中
近年、VDT症候群と同様に問題視されているのが、片側の目が内側に寄る「急性内斜視」の増加だ。
通常、目は近くの物を見ようとすると、目を内側に向ける内直筋が収縮して“寄り目”になり、遠くを見る際には眼球を外側に引っ張る外直筋を収縮させて焦点を調節している。
しかし、至近距離でスマホやタブレットの画面を凝視し続けると、内直筋が収縮し続けて眼球が正常な位置に戻らなくなり、左右一方の目が内側に寄った状態で固定されてしまう。
「両目の視線が一致しなくなると、モノが二重に見える複視や、立体感や遠近感がつかみにくくなります。するとピントを合わせようとまばたきの回数が多くなったり、球技や平均台が不得手になるといった兆候が見られるケースも少なくありません」