頭痛の正しい対処法(4)大切なのは危ない頭痛なのかを知ること
「もし、脳動脈瘤が見つかり、大きさが5~7ミリ以上の場合は、予防手術を考えるのが一般的です」
くも膜下出血につながる椎骨動脈解離(脳動脈の一つである椎骨動脈が裂けること)も激しい頭痛が現れます。後頭部の激痛や頚部(首)に痛みが出ることもあるそうです。
「椎骨動脈解離は、後になってくも膜下出血や脳梗塞につながるため、後頭部や首の痛みにも注意が必要です。早期に発見すれば治療が可能です」
また、2~3年前から注目されているのがRCVS(可逆性脳血管攣縮症候群)です。突然発生し、1分以内に痛みがピークになる頭痛(雷鳴頭痛)です。50歳前後の人に多く、数分で治まることも数日かかることもあります。
「患者さんの中にはシャワーを浴びている最中に、突然激しい頭痛に見舞われたという人もいます。いきみやせき・くしゃみなどがトリガーとなるのですが、CT検査をしても異常がなく、詳しいことはわかっていません。ただ、画像を見ると脳の血管がデコボコしているのがわかります」
誰もが経験したことのある頭痛ですが、自分の頭痛がどんなタイプなのか、危ない頭痛なのかを知り、適切な対策をとることが大切です。頭痛は治らないと諦めている人も、一度、頭痛外来に足を運んでみたらいかがでしょう。 =おわり
(医療ジャーナリスト・油井香代子)