頭痛の正しい対処法(4)大切なのは危ない頭痛なのかを知ること
頭痛には脳腫瘍や脳出血といった命に関わる病気が隠れているものもあります。脳外科の名医として知られ、数多くの患者を診てきた「丸ノ内なかごみクリニック」の中込忠好院長は、こう話します。
「脳内出血やくも膜下出血などの病気による頭痛を2次性頭痛と呼んでいますが、多くは意識障害や発熱、嘔吐、麻痺などの神経症状が出ます。命に関わる病気ですのですぐに治療が必要です」
くも膜下出血による頭痛は、頭痛が起きた時間が分単位まではっきりとわかり、ハンマーで殴られたような激しい頭痛が起きます。
「このような頭痛では早急に救急車を呼んでください。ただし、出血量が少なければ、それほど強い痛みがない場合があります。高齢者は頭痛よりも胸の痛みや腹部の痛みとむかつきを訴えることがあります。ただ、頭痛が起こった時間がはっきりしている点は共通していますので、できるだけ早く病院に行くことをお勧めします」
くも膜下出血は脳の血管にできたこぶ、脳動脈瘤の破裂によって起こります。中込院長によると、動脈瘤は遺伝的にできやすい人がいるので、家族にくも膜下出血の経験がある人や高血圧、喫煙歴がある人は、予防のためにも40歳を過ぎたら脳動脈瘤の有無を調べるMRI検査を受けるといいそうです。