JV-ITホールディングス 猪瀬ルアン社長(1)9歳の時、ベトナムから難民として来日

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「JV-ITホールディングス」は、スマホアプリをベトナムで委託開発する会社だ。2005年にベトナムで創業。2018年にホールディング化し、現在、日本に本社を置いている。

 社内での“感謝”をポイント化し、福利厚生サービスに交換できるアプリ「カンパニーマイル」が好評で現在、300社が導入している。

「今の日本は若い人が働くことに夢を持てない。第2の祖国をビジネスで元気にしたい」

 創業社長の猪瀬ルアンは、ベトナム戦争の終結から3年後の1978年、南部のリゾート都市ニャチャンで生まれた。両親とも裕福な家系だったが、共産主義政権の迫害を恐れた父は、家族を残し船で国外へ脱出する。いわゆるボートピープルだ。

「ちょうど僕の1歳の誕生日だったそうです。バレないよう母にも内緒でした。母も僕が3歳の時に脱出を試みましたが直前に捕まり、2人で数カ月間刑務所に入ったそうです。もちろん僕は覚えていません」

 船での脱出は難破や飢え、病気などで命を失う人も多かったが、猪瀬の父は運良く日本漁船に救出され日本にたどり着く。家族を呼び寄せたのは、それから8年後、猪瀬が9歳の時だ。

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