著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

ヤマトHDを苦しめる「2024年問題」…大幅減益で株価も大幅下落

公開日: 更新日:

 ヤマトホールディングスの株価が大幅に下落している。同社は8日に2024年3月期の決算を発表したが、営業利益は前期比33.3%も少ない401億円となった。当初の24年3月期の見通しは、営業収益1兆8600億円(前年比3.3%増)、営業利益800億円(前年比33.1%増)、経常利益810億円(前年比39.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益500億円(前年比8.9%増)と増益見通しだっただけに、市場の落胆は大きく、9日の同社の株価(終値)は10%を超える下落となった。

 予想に反した業績悪化の主因は、物流の「2024年問題」に他ならない。これまで事実上制限がなかったトラック運転手の残業時間は、4月から年960時間が上限となった。運転手の高齢化もあり、人手不足は一段と深刻化している。「25年度には運転手が14万人も不足すると試算されている」(メガバンク幹部)という。一方、インターネット通販の需要が伸び、今後も荷物量は増えると予想されている。

「物流業界は、本来は給与の低い業種と見られてきたが、これから人材を確保するためには人件費の引き上げは避けて通れない。それだけ収益圧迫要因になる」(同)とされる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も