著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

芥川龍之介は暴力と弾圧が支配する時代の到来を予想した

公開日: 更新日:
芥川は昭和2年、「ぼんやりとした不安」と書き残して自殺した(国立国会図書館所蔵画像/共同通信イメージズ)

「キング」は率先して国民を善導しようとの意気込みを持っていた。誰にも面白く、そして日本精神を世界に広めようとの意志をあらわにしていた。部数は目覚ましい伸びを見せた。大正15年の新年号は150万部に達し、雑誌界のトップに躍り出た。

 一方で婦人雑誌もよく売れるようになった。「…

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