金正恩また韓国を軍事挑発…砲撃の応酬で南北衝突いよいよカウントダウン
年明け早々、朝鮮半島でも不穏な動きだ。
北朝鮮が5日、黄海上の韓国領の白翎島と延坪島の北方で200発以上の砲撃を行い、韓国が境界線とするNLL(北方限界線)の北側海域に着弾した。韓国側に被害はなかったものの、韓国軍は挑発行為だと非難し、自走砲や戦車を動員して海上への砲撃訓練を実施。この対抗措置に先立ち、島の住民に対して避難命令が出され、退避所への移動を余儀なくされた。報復の応酬で事態は最悪のところまでエスカレートしてしまうのか。
南北関係は昨秋以降、悪化の一途だ。北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを強行すると、韓国は2018年の南北軍事合意の効力を一部停止。ブチ切れた北朝鮮が合意によって停止していた全ての軍事的措置の即時再開を発表し、一触即発状態に陥っている。コリア・レポート編集長の辺真一氏はこう言う。
「昨年末の朝鮮労働党中央委員会総会などで金正恩総書記が好戦的な発言を強める一方、韓国側は年末から米韓合同軍事演習を展開。今回の砲撃は演習への対抗措置と見ていたところ、北朝鮮側はそれを認めました。双方とも圧倒的な軍事力を見せつけてやると凄んでおり、足元ではギリギリの線で踏みとどまってはいても、挑発し合うことでいずれ武力衝突に至るでしょう。21年7月まで駐韓米軍司令官を務めたロバート・エイブラムス氏は昨年末、朝鮮半島について『17年の状況に回帰している』『誤解と誤判の可能性があり、些細なことが衝突につながることになりかねない』と警告を発していた。憂慮が現実となるのは時間の問題です」