元選手が“併用制”の弊害指摘 「正捕手1人」は時代遅れなのか
シーズンも終盤に差し掛かり、早くも球界の水面下ではオフの「移籍話」が取り沙汰されている。中でも、今オフの注目は「捕手」。すでに、国内FA権を取得済みの楽天・嶋基宏(30)に加え、日本ハムの大野奨太(28)も9月中にFA権を得る予定。両者とも移籍の可能性が高まっている。2人が手を挙げれば争奪戦は必至だが、どこのチームへ行こうが、フルシーズン、マスクをかぶることはないだろう。
ここ数年のプロ野球を見ていると、多くの球団が「捕手併用制」を採用。巨人(相川、実松、小林)、阪神(藤井、鶴岡、梅野)のように2、3人の捕手がほぼ日替わりで起用されている。
「捕手」と言えば、かつては野村克也氏、森祇晶氏、古田敦也氏、現中日兼任監督の谷繁のように、1人の捕手がほぼ全試合にフル出場。チームの要としてドンと座っていた。それが今や、「1人体制」は炭谷を使う西武ぐらいだ。他の野手より負担のかかるポジションといわれているだけに、もう「正妻1人」は時代遅れなのか。
90年代からヤクルト、日本ハム、阪神の捕手として活躍した野口寿浩氏(野球評論家)に聞くと、「私の経験から言えば、捕手の併用制がいいとは思えない」とこう続ける。