捕手には戻れず、バットも湿り…G阿部は引退へ崖っぷち
かつての面影はもうない。12残塁で引き分けに終わった前日の中日戦で「もう、そうそう代えようがない。何とか中軸が上がって欲しい」と原監督に奮起を促された4番の阿部慎之助(36)だったが、昨5日の試合も4タコ2三振。四回の2死三塁の好機で見逃し三振に倒れるなど、精彩を欠いている。
「一塁手・阿部」はなぜか打てない。首痛から復帰し、再び一塁にコンバートされてからの12試合で43打数6安打、打率.140。一塁を守った開幕6試合でも打率2割だった。阿部に近しいチーム関係者がこう言う。
「開幕7試合目で捕手に復帰した時は、マルチ安打が続くなど復調の気配がありましたが、一塁で出るとそれもなくなる。周囲が思うほど一塁は楽ではない。捕手にはほとんどない、体の切り返しや瞬発的な動きが必要になるからです。本人も『思った以上に大変』と漏らしていた。キャンプで右ふくらはぎを痛めたのも無関係ではないだろうし、開幕以来、一塁で拙守が続いたことで、重労働の捕手以上に、一塁守備に神経を使うはめになった。それが打撃面に影響している可能性はある。『捕手』という逃げ道がない以上、打てなくなったらジ・エンド。厳しい立場に追い込まれているといえます」