カブス誠也に立ちはだかるドジャース先発・救援陣はメジャー屈指の強力布陣
鈴木誠也のシカゴ・カブスは5月7~9日、一昨年のワールドシリーズ覇者でナ・リーグ西地区のロサンゼルス・ドジャースと対戦する。今季開幕前の米メディアの下馬評では、豊富な戦力を誇るドジャースが優勝候補の筆頭に挙げられた。
昨季、30球団トップの年俸総額約314億円のド軍にはスター選手が揃っている。中でも投手陣は先発、リリーフともメジャー屈指の強力布陣だ。
先発の二枚看板である右腕ウォーカー・ビューラー(27)、左腕フリオ・ウリアス(25)は今季のサイ・ヤング賞の有力候補だ。
「ビューラーの安定感はメジャー随一で、昨季は33試合(メジャー最多タイ)の先発登板のうち27試合がクオリティースタート(QS=6回以上を自責点3以内)だった。投球内容は際立っており、7回以上を自責点2以内に抑えるハイ・クオリティースタート(HQS)は13回を記録した。一方のウリアスは抜群の制球力が持ち味。昨季、初球のストライク率70.7%は100イニング以上投げた先発投手ではメジャートップで、与四球38個はバーンズ(ブルワーズ=34個)、シャーザー(現メッツ=36個)のサイ・ヤング賞投手らとともに少なかった。鈴木はド軍の左右の両エースにてこずるでしょう」(スポーツライター・友成那智氏)
トライネンとキンブレルの剛腕には面食らう
安定感のある先発陣からマウンドを引き継ぐリリーフ陣も剛腕が揃う。セットアッパーで右腕のブレーク・トライネン(33)、開幕直前にホワイトソックスからトレードで獲得した現役最多の通算372セーブ(昨季終了時)のクレイグ・キンブレル(33)の2人が試合を締める。
「トライネンは160キロ近い剛速球がありながら、低めのスライダーやシンカーで内野ゴロに打ち取るのにたけている。昨季、72試合でメジャー最多の32ホールド、防御率1.99と鉄壁な仕事ぶりで、キンブレルとともにダブルストッパーのような役割を担うはずです。2人の剛腕には鈴木も面食らうと思う」(友成那智氏)
主力投手以外にも難敵が揃う。今季開幕前に1年約20億円で契約延長したサイ・ヤング賞3度の左腕クレイトン・カーショー(34)は、経験に裏打ちされた投球術が健在だ。知人女性へのDVで昨年7月に制限リストに入っているものの、20年のサイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアー(31)らの実力者も控えている。
開幕から1カ月が経って疲れが出始める頃に、ドジャースのスター選手が立ちはだかる。