週間読書日記
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松本俊明(作曲家、ピアニスト)
5月×日 齋藤陽道著「よっちぼっち 家族四人の四つの人生」(暮しの手帖社 2200円)を読む。 「よっちぼっち」とは、著者の造語である。ろう者である自身と妻、耳の聞こえる聴者である子ども2人から…
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小峰ひずみ氏(批評家)
4月×日 家族で遠戚との食事に呼ばれる。父母が世話になった人たちだが、私や妹も親しい。宴会で結婚の話になる。結婚式の動画をYouTubeでみなが観る。新婦が父から新郎に「渡される」クライマックス。 …
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上田秀人(作家)
3月×日 畏友N氏のお誘いを受けて、京都上七軒春の踊りを見に行った。客席のほぼ半分が外国の方々で、同時通訳がないにもかかわらず舞台に夢中になっていた。芸事というのは、言語文化を超越するのだなと認識をあ…
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嶺里俊介(作家)
3月×日 井上雅彦監修「乗物綺談 異形コレクションLVI」(有栖川有栖ほか著 光文社 1320円)読了。愛読しているシリーズの最新刊。作家16名が持つ、それぞれの尖った世界が連なる。入院時必携。 …
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澤田瞳子(作家)
4月×日 一昨年から「知らないことにチャレンジ」をモットーに、色々な「初めて」に挑んでいる。農業、酒造り体験、カクテルコンペ……お声がけがあれば何でも経験と出かける。 先日もお誘いを賜り、女優…
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高嶋哲夫(作家)
3月×日 東京で新幹線を降り、ホームを見回す。人、人、人。それも大きなトランクを持った外国人が多い。思わず、世界を死と混乱に追い込んだ、コロナウイルスはどこに行ったと、叫びたくなる。神戸の田舎に住んで…
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小林信也(作家、スポーツライター)
3月X日 夜、原稿を書いていると、「じいじわねたかなあ」とLINEが入った。送り主は5歳の孫娘。少し前にスタンプのやりとりを始めたときは意味不明の平仮名やアルファベットの羅列だったが、突然、読み取れる…
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佐野広美(作家)
3月×日 かつて宇崎竜童は「あんた、あの子のなんなのさ」と聴衆に尋ねていた。尋ねられた者が口ごもるシチュエーションなのは歌の調子でわかるわけだが、あらためて人と人の関係とは「なんなのか」を考えてみると…
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竹内薫(サイエンス作家)
3月×日 新幹線の中で加藤文元著「数学の世界史」(KADOKAWA 2420円)を読み始める。この本は「数学による文明の征服史」とのことで、たしかに軍事兵器も産業経済もその時代や地域の数学を抜きにして…
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いしいしんじ(作家)
2月×日 和田純夫著「量子力学の多世界解釈」(講談社 1100円)。かつて読んだ現代物理の入門書のなかでもとりわけ読みやすくスリリング。文体に無駄がなく、科学書なのに侠気がある。内容どおり、ページをめ…
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髙橋秀実(ノンフィクション作家)
2月×日 近頃は「生成AI」やら「AIで自動運転」「AIで○○」等々、なんでもかんでも「AI」である。一種の呪文にも聞こえるのだが、「AI」を知らずして未来はないらしい。これを理解するには数学が必須と…
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花房観音(作家)
2月×日 ここのところ、周りで「彼氏ができた!」「結婚します!」というおめでたい報告の出会いは、すべてマッチングアプリだ。 特に驚いたのは、同い年の友人であるライター・中村淳彦の結婚報告だ。妻…
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松井今朝子(作家)
1月×日 シェイクスピアに匹敵する大劇作家、近松門左衛門の没後300年に当たる今年刊行予定の一代記「一場の夢と消え」を「オール読物」誌で連載し、最終回の入稿を済ませたところで初回を読み返してみた。まず…
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道尾秀介(作家)
1月×日 去年、嬉しいことが2つあった。1つは、長年の構想を経てとうとう商品化した本格犯罪捜査ゲーム「DETECTIVE(ディテクティブ) X(エックス)」がトンデモなく売れてくれたこと。警察の捜査資…
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羽鳥好之(作家)
12月×日 友人のS君と恒例の忘年ゴルフ。毎年、ゲストを招いているが、今年はS君の夫人が参戦した。なかなかの腕前。いま夫婦でラウンドするのが流行のようだが、いい光景だなあと思う。 亡くなった伊…
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中野純(闇案内人)
12月×日 年内最後の闇歩きツアーの案内などを終え、宮沢賢治の童話に中野真典が絵を描いた「かしわばやしの夜」(三起商行 1650円)をじっくり楽しむ。謎の「画かき」に誘われて、夜の林に「前科九十八犯」…
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志川節子(作家)
12月×日 師走なのに最高気温20度って。何を着るかと、朝、考え込むことしばし。結局、秋に着ていたユニクロに落ち着く。50代おばさん、代わり映えしない毎日。 原田ひ香著「喫茶おじさん」(小学館…
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彩瀬まる(作家)
12月×日 朝、寒すぎて布団から出られない。でも仕事の締め切りはどんどんくる。今年は体調を崩しがちで、いろんな約束を後回しにしてしまった。うーうーとうなりながら這いずり出て、気合いを入れに近所のカフェ…
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香山リカ(作家・精神科医)
11月×日 北海道の山あいにある診療所で働き始めて1年半以上がたった。医者としてからだが動くうちに医療過疎地で働いてみたい、というのがかねてからの夢だったのだ。仕事はハードだが楽しい。もう1つの夢は、…
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森朗(気象予報士)
11月×日 最近、中高生を相手に気候変動や地球温暖化の話をする機会が多い。せいぜい10数年しか生きていないので、気候が昔と比べて変化した実感はないはずなのだが、地球温暖化や気候変動の知識がとても豊富で…