週末オススメ本ミシュラン
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「『日本型格差社会』からの脱却」岩田規久男著/光文社新書
著者は、第2次安倍政権で日銀の副総裁を務めた。日銀の量的金融緩和は、総裁の名前を採って「黒田バズーカ」と呼ばれるが、その理論的バックグラウンドをつくったのは間違いなく著者だ。著者は、かなり昔から孤軍…
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「魂を撮ろう」石井妙子著/文藝春秋
水俣病の闇は深い。それに、どこから、どう光を当てるか。著者はMINAMATAの写真を撮ったユージン・スミスの若き妻、アイリーンを“発見”した。正式の名前はアイリーン・美緒子・スプレイグ。伝説のフォト…
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「無理ゲー社会」橘玲著/小学館新書
「言ってはいけない―残酷すぎる真実―」(新潮新書)や「上級国民/下級国民」(小学館新書)など、データを駆使して救いようのない現実をこれでもか、と見せつける橘氏の新刊である。 今回も「無理ゲー社…
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「権力は腐敗する」前川喜平著/毎日新聞出版
文部科学省で官僚のトップである事務次官をつとめた前川喜平氏による安倍晋三前政権と菅義偉現政権に対する厳しい批判本だ。 <かつて、腐敗した権力は革命や戦争といった暴力でしか打倒できなかった。代議…
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「ドムドムの逆襲」藤﨑忍著/ダイヤモンド社
今年最速の短時間で読了した。中身が薄いわけではない。構成がしっかりしていて、文章に無駄がなく、論理的だからだ。 著者は、短大卒で39歳まで専業主婦をしていた。しかし家計を支える必要が生まれて…
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「この国のかたちを見つめ直す」加藤陽子著/毎日新聞出版
東大教授の加藤に、じょっぱり(津軽弁で強情っ張り)だった歌手の淡谷のり子を連想すると言ったら、加藤は苦笑するだろうか。 こんな逸話がある。テイチクのディレクターから、「星の流れに」をどうかと…
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「ゼロコロナという病」藤井聡・木村盛世著/産経セレクト
新型コロナウイルスの陽性者については、東京で1日5000人を超えるなど猛威を振るっていると報道されるが、振り返ると昨年4月の第1回緊急事態宣言の際の東京の陽性者数は約50人だった。 その10…
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「ドストエフスキー 黒い言葉」亀山郁夫著/集英社新書
今年はロシアの文豪ドストエフスキーの生誕200年にあたる特別の年だ。わが国におけるドストエフスキー研究と翻訳の第一人者である亀山郁夫氏(名古屋外国語大学学長)が素晴らしい作品を上梓した。 亀…
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「完全解説 ウルトラマン不滅の10大決戦」 古谷敏/やくみつる/佐々木徹著/集英社新書
テレビ番組の放送から半世紀以上経つというのに、ウルトラマンの人気は衰えない。それどころか、世代を超えてファン層を広げている。なぜそこまでウルトラマンが人気なのか。その謎を解くために、これまで数多くの…
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「さよならテレビ」阿武野勝彦著/平凡社新書
東海テレビのドキュメンタリーにはハッとさせられてきた。たとえば「死刑弁護人」であり、「ヤクザと憲法」である。ドキッとさせられたと言ってもいい。そのプロデューサー欄には、いつも、阿武野の名前があった。…
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「ミャンマー危機 選択を迫られる日本」永杉豊著/扶桑社新書
今年2月にクーデターを起こし、以後反対のデモを行う市民への弾圧をするミャンマー軍。多数の死者が出ているが、一体なぜこのような事態に陥ったのか。そして、実は日本にもミャンマーのクーデターは大きな影響を…
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「霞が関のリアル」NHK取材班/岩波書店
日本の若手エリートの質が悪くなっていることが、NHK取材班の意図とは異なる面で見えてくる。例えば、東大法学部から国家公務員試験総合職(区分は不明)にトップで合格した青年の話だ。 <官僚は最初の…
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「気がつけば警備員になっていた。」堀田孝之著/笠倉出版社
本書は、著者自身の警備員経験を描くドキュメントだ。警備員はよく目にする仕事だが、勤務実態はあまり知られていない。私もそうだったから、25時間連続勤務、1日の歩行距離が10キロといったこと自体に驚いた…
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「歌集 滑走路」萩原慎一郎著/角川文庫
「サンデー毎日」の6月27日号で、小沢一郎が地元の岩手の県議会選挙のことを語っている。 「達増拓也知事は選挙では共産も含め、与党の県議を全員応援した。自民党はカッカしていたが、与党県議は皆喜んだ…
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「安いニッポン」中藤玲著/日経プレミアシリーズ
まったく救いのない本である。今の日本のどうしようもない状況が事細かにデータとともに書かれている。本書の内容をざっくりと表現するとこうなる。 「コスパと安さばかり重視した結果日本の物価は上がらず…
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「つながり続けるこども食堂」湯浅誠著/中央公論新社
社会活動家の湯浅誠氏(東京大学先端科学技術研究センター特任教授)によるこども食堂の現状報告だ。 本書を読むと、こども食堂がさまざまな事情により食べられないこどもたちに食事を提供する場所という…
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「東京を捨てる コロナ移住のリアル」澤田晃宏著/中公新書ラクレ
本書は、コロナをきっかけに東京から淡路島に移住したルポライターの著者が、コロナ移住の実態を客観的に描いたものだ。移住体験を紹介する書籍はたくさんあるが、物書きのプロが書いたものは、段違いに読みやすい…
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「憲法を生きる人びと」 田中伸尚著/緑風出版
先日、韓流ドラマの「明成皇后」を見終えた。124話に及ぶ大作である。日本では、「朝鮮王朝末期の国母」の閔妃として知られる彼女は1895年に日本人の手によって虐殺された。首謀者の公使、三浦梧楼は「これ…
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「菅政権 東大話法とやってる感政治」宇佐美典也著/星海社新書
東大経由経産省キャリア官僚から抜け出した著者による一冊。菅政権及び、日本のエラい人による「何言ってるんだよ、こいつ……」と呆れる一言がいかにして生まれ、それがどうして現在の政治でまかり通っているのか…
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「サラ金の歴史」小島庸平著/中公新書
消費者金融(いわゆるサラ金)の歴史と現状に関するユニークな研究書だ。小島庸平氏(東京大学大学院経済学研究科准教授)は、とりあえず善悪の価値判断を留保して、現象としての消費者金融を客観的に解明しようと…