著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

富士通(上)時田隆仁社長が公の場で謝罪…イギリス史上最大規模の冤罪事件の元凶

公開日: 更新日:

 英国の郵便局を舞台とした同国史上最大規模の冤罪事件の原因となった会計システムを子会社が開発した富士通の時田隆仁社長は1月16日、「郵便局長らとその家族の人生に壊滅的な影響を与えたことをお詫びする」と謝罪した。スイス東部ダボスでの世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席。英BBC放送の記者の直撃を受けた。

 時田氏が公の場で事件についてコメントしたのは初めて。BBC放送によると、時田氏は「富士通として非常に深刻に受け止めている」と語った。「欠陥のある会計システムで得た収益を返還するのか」との記者の問いには答えなかったという。

 BBC放送は「英国史上最大規模の冤罪と呼ばれるこの事件で、富士通はこれまで誰も責任を問われておらず、被害者への補償金も一切支払っていない」と大々的に報じた。

 英国では政府が100%出資する郵便会社「ポストオフィス」が郵便窓口業務を個人事業者に委託している。同社が富士通の会計システムを導入した直後の1999年から窓口で実際に集めた現金が、システム上の残高記録より少なくなる“事件”が多発した。富士通の英国の子会社ICL(現・富士通サービシーズ)が郵便事業会社に納入したシステムに欠陥があり、英政府を巻き込んだ大スキャンダルに発展した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース