ニトリHD(上)似鳥昭雄会長10年ぶりの社長復帰は「創業者の宿痾」
家具・インテリア製造小売り大手のニトリホールディングス(HD)は2月1日付で、中核子会社ニトリの社長に似鳥昭雄ニトリHD会長(79)が復帰した。社長に返り咲くのは10年ぶり。会長兼社長となり、ニトリHDの会長も続投する。業績が足踏みしていることから、「やっぱり任せ切れなくなった」(元古参役員)。
創業者社長の宿痾といってしまえばそれまでだが、似鳥氏は80歳の大台の一歩手前だ。どんな強靱な人でも80歳という人生の大きなヤマを越すと、ガックリくることが多い。
武田政則ニトリ前社長(58)はニトリHDの副社長に就き、海外事業に専念する。ニトリHDは2023年9月末時点で中国や台湾、マレーシアなどアジアで148店舗を展開。今回の人事で意思決定のスピードを上げ、さらなる拡大を図るのが狙いという。それでも周囲は「社長失格の烙印を押されたわけだから、針のむしろが待っている」と懸念する。
今回の社長交代を額面通り受け取る向きはほとんどいない。長期展望に立っての幹部の配置とは思えないからだ。