豊田自動織機(上)トヨタの“源流企業”で不正…豊田鐵郎会長は退任、創業家出身の取締役はゼロに
トヨタグループの総帥、トヨタ自動車の豊田章男会長(67)は1月30日、名古屋市内でグループの指針について説明会を開き、グループ企業で認証取得に関する不正が相次いでいることについて、「日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機の相次ぐ不正により、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。
グループとして成長する中で、「大切にすべき価値観や物事の優先順位を見失う状況が発生してきた」とし、「私自身が責任者としてグループの変革をリードする」と宣言した。
豊田自動織機は2月29日、創業家出身の豊田鉄郎会長(78)と大西朗副会長(66)が、6月末の株主総会で退任する人事を発表した。豊田氏は相談役に、大西氏は取締役に就く。同社は「認証不正問題による引責ではない」としているが、事実上の引責辞任と受け止められている。鉄郎氏は2005年から社長、13年から会長、大西氏は13年から23年まで社長を務めた。
昨年6月に就任した伊藤浩一社長(60)は留任する。会長の後任には、トヨタ自動車のエグゼクティブフェローで、元副社長の寺師茂樹氏(69)が就く。寺師氏はトヨタでクラウンなどの開発責任者を務め、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の開発を牽引してきた。