富士通(下)国内でもトラブル続出「負の歴史」、英国史上最大の冤罪事件の今後は
国内でもここ数年間、富士通のシステムのトラブルが相次いだ。
2020年10月1日、富士通の株式売買システム「アローヘッド」を使用している東京証券取引所でシステム障害が発生。株式売買が終日ストップした。
日本取引所グループ(JPX)が設置した(事故)調査委員会が公表した報告書によると、「アローヘッド」は共有ディスク装置の異常を感知すれば、1号機に不具合があれば2号機に自動的に切り替わるはずだったが、初期設定や操作説明書に不備があり、自動で切り替わらなかった。
調査報告書は自動的に切り替わらなかったことについて、「製品マニュアルの記載の誤りの原因及び責任は作成者たる富士通にある」と結論づけた。
東証のシステム障害について、金融庁は東証と親会社のJPXに対し、業務改善命令を出した。行政処分を受けた責任を取って、東証の宮原幸一郎社長は辞任。JPXの清田瞭グループCEOが東証社長を兼任した。システム開発を担った富士通は時田隆仁社長が役員報酬を減額しただけだった。