ベストセラー読みどころ
-
「府中 三億円事件を計画・実行したのは私です。」白田著
1968年12月に府中で起きた3億円事件。偽の白バイ隊員によって現金輸送車ごと奪われるという大胆な手口が話題をさらった。本書は、この事件の犯人を名乗る「白田」によって書かれた手記的小説。事件発生から…
-
「愉楽にて」林真理子著
家柄、財産、知性と教養を併せ持つ50代の男が、東京、シンガポール、京都を舞台に、官能的な夢物語を繰り広げる。日本経済新聞連載中から話題を呼んだ長編小説。 久坂隆之は老舗医薬品メーカーの副会長…
-
「熱帯」森見登美彦著
小説を書きあぐねていた森見登美彦は、ふと昔、京都の古本屋で手に入れた「熱帯」という本を思い出す。作者は佐山尚一。SFともファンタジーともつかぬ不思議な物語は妙に心引かれるもので結末はどうなるかと思っ…
-
「フーガはユーガ」伊坂幸太郎著
主人公は、常盤優我と風我という双子の兄弟。2人には他人にはなかなか理解してもらえない重大な秘密があった。それは誕生日の決まった時間になると、なぜか2人が入れ替わってしまうこと。小学生のときに異変に気…
-
「ガルシア=マルケス『東欧』を行く」G・ガルシア=マルケス著 木村榮一訳
コロンビアのノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスは、作家として世に出る以前、新聞社で働くジャーナリストだった。東西冷戦下にあった1950年代後半、30代初めのマルケスは、「鉄のカーテン」の…
-
「東京輪舞」月村了衛著
1976年、ロッキード事件が発覚し、前首相逮捕という異例の事態に陥っていたさなか、警視庁公安部にCIAから日本に潜伏中の元ロッキード社社員ヘンリー・ワイズの捜索依頼が舞い込む。公安部外事第1課の砂田…
-
「沈黙のパレード」東野圭吾著
町の食堂の看板娘だった19歳の女性が、ある日突然姿を消した。人目を引く容貌と群を抜いた歌の才能で地元の人気者だった彼女の失踪に、町中の人が心を痛めていたが、何の手掛かりもないまま3年間が経過した。 …
-
「ある男」平野啓一郎著
九州・宮崎の小さな田舎町で文房具屋を営む里枝には、つらい過去があった。2歳の次男を脳腫瘍で失い、それが原因で夫とも離婚。長男を連れて、故郷に戻っていた。 そんな里枝の前に、時折、スケッチブッ…
-
「愛なき世界」三浦しをん著
国立T大学の赤門のそばにある洋食屋「円服亭」で働く藤丸陽太は、T大理学部の研究室に出前を届けているうちに恋をしてしまった。相手はシロイヌナズナの葉を研究する本村紗英。本村が所属する研究室は植物の基礎…
-
「漂砂の塔」大沢在昌著
物語の舞台は、歯舞群島の中の島のひとつ・オボロ島。レアアース目当てにつくられた日中露合弁会社「オロテック」の関係者しかいない、そんな閉ざされた島の海辺で、赴任したばかりの日本人技術者が、両目をえぐり…
-
「地球星人」村田沙耶香著
「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した作家の最新作。物語は主人公・奈月の少女時代から始まる。小学校5年生の夏休み、奈月は長野の山村にある祖父母の家を家族と訪れた。 お盆に大勢集まる親戚の中に、いと…
-
「歪んだ波紋」塩田武士著
5つの短編からなる連作集。冒頭は「黒い依頼」。地方紙の中堅記者・沢村は、デスクからひき逃げ事件の犯行車両が被害者の遺族宅にあるとの情報を得たので調べるよう頼まれ、被害者宅に赴く。被害者の妻に車のこと…
-
「一億円のさようなら」白石一文著
主人公は、52歳の加能鉄平。長年勤めた医療機器の会社をリストラされ、落ちのびるようにやってきた福岡で、父方の祖父が創業した化学メーカーに再就職し、なんとか落ち着いた日々を取り戻していた。 そ…
-
「amazon世界最先端の戦略がわかる」成毛眞著
1994年、インターネット書店からスタートしたアマゾンは、ネット通販の領域をはるかに超えて爆発的に拡大した。2017年度の売上高は約1800億ドルで、前年比30.7%増。進撃は続いている。 …
-
「告白」清原和博著
名門PL学園で高校1年から4番を務め、5季連続で甲子園に出場。優勝2回、準優勝2回。甲子園通算13本塁打は歴代最多。卒業後、西武ライオンズに入団、1年目で31本塁打の高卒新人記録を更新――。16歳か…
-
「下町ロケットゴースト」池井戸潤著
佃航平が率いる佃製作所のもとに、主要取引先のヤマタニから新型エンジン契約を白紙撤回するとの連絡が入るところから物語が始まる。 新社長は農機具のエンジンは「動けばいい」と考えており、佃製作所の…
-
「能面検事」中山七里著
大阪地検1級検事・不破俊太郎。見たところ30代後半、髪をぴっちりと後ろになでつけ、仕立てのいいスーツを着ている。一分のスキもない。特筆すべきは、何があっても表情筋を1ミリも動かさないことで、陰で能面…
-
「燃える波」村山由佳著
三崎帆奈美は、衣食住全般を心地よくコーディネートするライフスタイリスト。ファッション誌などのスタイリングの他、女性誌にエッセーを書いたり、ラジオのパーソナリティーを務めるなどマルチに活躍している。し…
-
「官邸襲撃」高嶋哲夫著
主人公は、27歳の女性巡査部長・夏目明日香。2カ月前に誕生した日本初の女性総理大臣・新崎百合子のSPに抜擢され、首相官邸で開かれている米国国務長官と首相との夕食会の任務についた。午前中から飲まず食わ…
-
「火のないところに煙は」芦沢央著
作家の「私」は、書いたことのない「怪談」の執筆を依頼された。「あのこと」を書いてしまっていいものだろうか。逡巡しながら、お札で閉じられた封筒を取り出す。中には1枚のポスターが入っていて、そのポスター…