「amazon世界最先端の戦略がわかる」成毛眞著

公開日: 更新日:

 1994年、インターネット書店からスタートしたアマゾンは、ネット通販の領域をはるかに超えて爆発的に拡大した。2017年度の売上高は約1800億ドルで、前年比30.7%増。進撃は続いている。

 アマゾンは今、どのような事業を展開し、これから何をしようとしているのか。元マイクロソフト社長の著者が、アマゾンのビジネスモデルを通して、世界最先端の戦略をわかりやすく解説している。

 アマゾンはネット通販の巨人にとどまらない。革命的な企業向けクラウドサービスAWS(AmazonWeb Services)という柱を持っている。これは、巨大なサーバーを用意し、その中の多様なシステムをオンラインで企業に提供するサービスで、企業は自前のサーバーを持つ必要がなくなる。実はネット通販事業は赤字で、AWSがその赤字を補い、会社を支えている。

 創業者ジェフ・ベゾスは物理学を学んだ理系人間で、「全ては顧客のために」を旗印に、最先端テクノロジーを駆使した事業戦略を推し進めている。ドローンを使った空飛ぶ宅配、自動運転技術、顔認証機能、翻訳システム……。音声認識技術アレクサはすでに実用化されている。その一方でリアル店舗を拡充、生鮮品の扱いにも乗り出している。生活の劇的変化の裏にアマゾンあり。アマゾンはあらゆる業種の常識を塗り替えつつある。全てのビジネスパーソンが今読むべき一冊。

(ダイヤモンド社 1700円+税)


【連載】ベストセラー読みどころ

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…