秦真司 間近に見た「名将」の真実
-
ビールかけで転倒し尻に瓶刺さり流血…10針縫って二次会へ
ヤクルトは1995年の日本シリーズでオリックスを4勝1敗で倒した。キーマンのイチローを封じ、93年に続き日本一。その後のビールかけで“事件”は起きた。 ヤクルトが東京で優勝した場合、ホテルニ…
-
古田敦也が内角打ちの名人になった貪欲な「聞き取り力」
「ギャンブルはしない」という野村克也監督のサインを無視した三塁走者・古田敦也のギャンブルスタートが功を奏し、貴重な追加点を奪ったヤクルトは、1993年の日本シリーズで15年ぶりの日本一に輝いた。 …
-
93年日本S第7戦 古田の“ギャンブルスタート”はサイン無視
読み通り、西武の守護神・潮崎哲也の内角スライダーに私の体が反応した。打球はライナーで右翼ポール際へ飛び込むサヨナラ本塁打となった。1992年の日本シリーズ第6戦のことだ。 西武圧倒的有利の下…
-
92年日本Sで西武・潮崎からサヨナラ弾 捕手の配球を読んだ
三振をしてベンチに戻ると、野村克也監督の“尋問”が始まる。 「何考えとる。三振の仕方が悪い。何を狙っていた? 根拠は何だ?」 追い込まれていたのに、なぜ変化球を待ったのか。相手の配球デ…
-
「野村ID野球」支えた選手以上に担当スコアラーが怒られた
「弱者の兵法」として野村克也監督が重視したのがID野球である。インポータント・データの略で「データ重視」の意味だ。 「敵を知り、己を知る。同じ右打者でも足が速く、塁に出したくない飯田(哲也)、長…
-
野村監督“独演90分”ミーティング「働き一両、考え五両」
野村克也監督は就任した1990年の米アリゾナでの春季ユマキャンプから「改革」を行った。 ■ヤクルト就任1年目ユマキャンプ これまで19時から20時半まで行っていた夜間練習に代わり、ホテ…
-
野村監督1年目の開幕戦「捕手クビ」を招いた疑惑の本塁打
私はヤクルト4年目の1988年に正捕手に定着した。先週、一周忌を迎えた野村克也氏がヤクルトの監督に就任したのは、私が6年目を迎える90年のことだ。 ケチのつき始めは、私がスタメンマスクをかぶ…
-
由伸監督失敗はコミュニケーションの欠如と周囲の準備不足
高橋由伸は不完全燃焼だっただろう。原辰徳監督の後継者として、現役を引退。即監督に就任したのは2015年10月のことだ。 この年、打率・278、5本塁打、21打点。代打に限定すれば、同・395…
-
原監督がCS敗退後に辞任を表明「私も辞めます」すると…
巨人がリーグ3連覇を達成した流れで、私は翌2015年も一軍のバッテリーコーチを務めることになった。が、この年は2位でV逸。クライマックスシリーズでヤクルトに敗れると、原辰徳監督が辞任を表明した。「こ…
-
14年は二軍で育成のはずが 「8月から一軍に」と緊急招集が
監督には契約年数がある。日本一になれなかったときは、コーチが責任を取るべきというのが持論だ。巨人の一軍バッテリーコーチだった2013年は、リーグ連覇を果たしたものの、日本シリーズは楽天に3勝4敗で敗…
-
データを生かせず…巨人はソフトBに情報戦でも負けていた
試合前のミーティングで選手が頭に入れることは多い。 打者なら、相手投手の初球の傾向。内角から入ってくるのか、外角からか。直球、変化球の割合が多いのか……。 0―0から3―2までカウン…
-
日本Sで露呈…G捕手陣とソフト甲斐“投手マネジメント”の差
小林誠司は打撃面だけでなく、リード面でもなかなか殻を破れなかった。 「巨人は負けたらダメ」という意識がマイナス思考となり、とにかく安全第一。3試合全て外角一辺倒、スライダーばかりの配球といった…
-
巨人ドラ1“強肩”小林誠司を狂わせた 2017年WBCでの大爆発
原辰徳監督による一塁コンバート案が浮上した大城卓三が昨年、セ・リーグ捕手のベストナインに選出された。2019年の春季キャンプ前にファームバッテリー兼打撃コーチとして「1年間の捕手継続」を願い出た私と…
-
一塁転向案が出た大城の足幅を52cmから72cmに広げてみた
2018年オフ、私はファームバッテリー兼打撃コーチとして2年ぶりに巨人に復帰した。直後の19年の春季キャンプ前、原監督が「一塁で使う。打者に専念させる」とコンバート案をブチ上げたのは、今や正捕手に定…
-
エース内海哲也は「深呼吸2回の長持ち牽制」を武器にした
「とりあえずやってみよう」 原辰徳監督は私の意見を尊重してくれた。しかし、違うコーチもいた。 「おまえ、細か過ぎるからケンカになるんだよ」 ヤクルト出身の私は外様コーチ。入団した…
-
原監督“愛のムチ” FA入団1年目の村田修を試合中に強制帰宅
原辰徳監督は相手やグラウンド上だけでなく、自軍のベンチ内もよく観察している。見ているのは選手。チェックポイントは細部にわたる。ベンチに座っている姿勢、声の出し方、守備への就き方、それに目力も見ている…
-
よく当たる! 原監督のささやきサイン「ピッチドアウト」
巨人の攻撃時、原辰徳監督は手を体の後ろに回し、指でサインを出す。後方にいるヘッドコーチがそれを三塁ベースコーチにサインで伝達する。 今度は守備の時、原監督が「ここは外せ」や「ピッチドアウト」…
-
進路に悩む高3の菅野に中日打線を抑えられるか想像させた
大学進学かプロ入りか――。巨人に入りたい東海大相模3年の菅野智之(現巨人)は進路で悩んでいた。菅野が東京ドームのバックネット裏最前列で巨人―中日戦を観戦するという。前年2006年まで2年間、中日の捕…
-
ボロボロの菅野は決勝で10失点 甲子園には届かなかった
2007年夏の神奈川大会準決勝、「事実上の決勝戦」といわれた横浜戦で、東海大相模のエース菅野智之(現巨人)は168球の完投勝利を収めた。甲子園まであと1勝。しかし、真夏の人工芝上で熱投したことによる…
-
菅野の父親に県大会決勝の先発辞退を直訴するよう勧めた
今オフのメジャー移籍を断念し、巨人残留を決めた菅野智之。彼のことは昔から知っている。菅野の父親・隆志氏は私と法政大学野球部で共に汗を流した仲。そして、同い年である。付き合いはもう40年ほどになる。 …