原監督“愛のムチ” FA入団1年目の村田修を試合中に強制帰宅
原辰徳監督は相手やグラウンド上だけでなく、自軍のベンチ内もよく観察している。見ているのは選手。チェックポイントは細部にわたる。ベンチに座っている姿勢、声の出し方、守備への就き方、それに目力も見ている。もちろん、戦う姿勢も重視する。投手にしても、打者にしても、逃げ腰になっているなとか、ちょっと遠慮しているなとか、弱気な姿勢は大嫌いだ。
■戦う姿勢が見られない主砲を懲罰交代
これが顕著な出来事があった。2012年9月、FA入団1年目の村田修一を試合中に自宅に帰したことがある。
ヤクルト戦で村田は「5番・三塁」でスタメン出場していた。巨人は初回に2点を先制し、なお無死一、二塁の好機で三振。二回に回ってきた第2打席も三ゴロ併殺打に倒れると、原監督はその裏の守りから交代を命じた。すると、ベンチで村田にこう告げたのである。
「修一、今日はもう家に帰っていいよ。リフレッシュして明日また元気な姿で会おう」
試合はまだ二回。ベンチ内は静まり返った。