<48>早貴被告はAV嬢時代の動画について、こっそり弁護士に相談していた
2018年4月27日に野崎幸助さんと早貴被告は別々の便で東京に向かった。その10日前、早貴被告は所用があると言って、1人で東京に日帰りをしている。
「肖像権がなんとか、という早貴ちゃん宛ての郵便が届いていたんです。私、間違って開けちゃって……」
アプリコの金庫番・佐山さんが教えてくれた。野崎幸助さん宛ての郵便物は、すべて自宅ではなくアプリコに配達される仕組みになっていた。その中に早貴被告宛てのモノも交じっていたらしい。
「肖像権? なんだ?」
この時は皆目見当がつかなかったが、後日判明したのは、彼女がAV嬢として出演したDVDについて弁護士に相談していたということだ。少し前に過払い金請求事案のテレビCMが数多く流れていたが、ブームが一段落して儲けを望めなくなった弁護士たちは次の策として、ネットでさらされているアダルト動画の消去に狙いを定めた。
もっとも、コピーされて拡散してしまった動画を完全に消去するなど不可能に近い。弁護士もそれを十分に分かっているのだから、半分だましているようなものだ。