天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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今のままでは日本で心臓外科医の「空洞化」が起こる
今のままでは日本で心臓外科医の「空洞化」が起こる 近い将来、日本では優秀な心臓外科医が不足するのではないか――。米国で活躍する日本人心臓外科医が、日本国内の心臓外科診療の「空洞化」を懸念してい…
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「多剤併用」「長期処方」の患者を手術する際はまず薬の整理をする
高齢者の増加に伴って、大きな問題になっているのが薬の多剤併用(ポリファーマシー)と長期処方です。複数の持病を治療するためにそれぞれ投与されたいくつもの薬を長期にわたって服用していると、相互作用によっ…
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心臓マッサージの重要性がさらに広まれば救える命は増える
近年、増えている突然死の原因の多くは心臓疾患によるものです。5月に亡くなった歌手の西城秀樹さんも急性心不全が原因でした。 身近にいる人が急に倒れたとき、命を救うために効果的なのが「心臓マッサ…
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iPS細胞は重症心不全患者にとって大きな“救い”になる
世界初となるiPS細胞を使った心臓病の臨床研究が今年度中に実施されることになりました。 大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)の研究チームが主導する計画で、京都大が健常者の血液から作製しているi…
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血圧の「左右差」が15mmHg以上ある人はご用心
「血圧」は心臓疾患の重大なリスク因子のひとつです。高血圧を指摘され、自宅で毎日測定しているという人も少なくないでしょう。 一般的に血圧は上腕部で測定し、「収縮期血圧(上の血圧)140㎜Hg以上…
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片頭痛の人は心臓疾患のリスク因子も抱えるケースが多い
片頭痛に悩まされている人は少なくありません。こめかみから目のあたりがズキンズキンと脈打つように痛み、ひどい場合は動くこともできずに寝込んでしまうほどつらい症状が表れます。 原因はいくつか考え…
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遺伝子検査は心臓疾患の予防にも大いに役立つ
血液、口の中の粘膜、唾液などから染色体の遺伝子を調べ、病気のリスクや体質を判定する「遺伝子検査」が急速に進歩しています。 遺伝子は、生物すべての生命活動を支えるタンパク質の“設計図”なので、…
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「不眠」「睡眠薬」「心臓疾患」は密接につながっている
これまで何度かお話ししていますが、睡眠と心臓疾患には深い関係があります。 1日の睡眠時間が5時間以下の人は心臓疾患の発症率が上昇し、4時間以下になると冠動脈性心疾患による死亡率が上がることが…
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理想の去り際は「惜しまれつつ、されど潔く」
心臓外科医になって30年を越え、これまで8000例近い手術を行ってきました。かつて手術をした患者さんも高齢な方が増え、亡くなられたという連絡もいただきます。昨年も、以前に私が執刀した4人の患者さんが…
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手術用ガーゼの置き忘れを防ぐ新しい技術が登場
手術の際、患者さんの体内にガーゼを置き忘れるミスが年に何度か起こっています。もちろん、医療者側は細心の注意を払い、さまざまな対策を行っていますが、それでも完璧に防ぎ切れていないのが現状です。 …
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ハートシートは心臓移植を待つ患者さんに大きなプラス
「ハートシート」を使った心筋の“再生医療”が一般的にも広く普及しそうな環境が整ってきました。「拡張型心筋症」や「虚血性心筋症」といった心筋が衰弱して心臓のポンプ機能が働かなくなる疾患を対象にした治療法…
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なんらかのアレルギーを持っている人は思わぬものに反応するケースがある
前回に引き続き、アレルギー性疾患を抱えている患者さんの手術についてお話しします。 花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーなどのアレルギーがある患者さんを手術する際は細心の注意が必要で…
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アレルギーを抱えている患者の手術は普段以上に注意が必要
近年、何らかのアレルギー性疾患を抱えている患者さんが増えています。花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーなどのアレルギーがある患者さんを手術する際は、通常の場合よりもさらに細心の注意が必要に…
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大腸がんと心臓疾患は危険因子が共通している
近年、急増している大腸がんと心臓疾患には密接な関係があります。 米国のアラバマ大学の研究チームの報告では、大腸がんの高齢者は心臓疾患を発症するリスクがアップすることがわかりました。2000年…
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感染症対策には細菌やウイルスの「スクリーニング」が重要
病院の感染症対策で、いまわれわれが最も注意しているのは「MRSA」(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)と「VRE」(バンコマイシン耐性腸球菌)という2つの耐性菌だということを前回お話ししました。いずれも…
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近年最も注意している2つの耐性菌「MRSA」と「VRE」
昨年12月から今年2月にかけて、福島県内の病院で抗生物質がほとんど効かない耐性菌(CRE=カルバペネム耐性腸内細菌科細菌)の集団感染が発生し、患者さん2人が死亡しました。 医学の発展に伴って…
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これからの心臓血管外科は「足の血管」の治療を無視できない
心臓血管外科の医師として、いま注目しているのは心臓血管の「血管」のほう、とりわけ「足の血管」の治療です。糖尿病などが原因で動脈硬化が進み、足の血管が詰まってしまうと、「慢性閉塞性動脈硬化症」(ASO…
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僧帽閉鎖不全症の新治療法「マイトラクリップ」は間違いなく広まる
救急医療や予防医学の進歩により、2000年以降は心臓疾患による死亡者数は減っていました。しかし、ここにきて再び心臓死する人が増えてきています。高齢化に伴った慢性心不全による死亡で、中でも「僧帽弁閉鎖…
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僧帽弁閉鎖不全症の弁形成はダヴィンチ向きといえる
今年1月、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使う手術の保険適用対象が一挙に拡大されることが承認されました。これまで、保険適用のダヴィンチ手術は前立腺がん、腎臓がんの摘出手術の2件だけでしたが、4…
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より信頼性の高い大規模データの収集は積極的に進めるべき
心臓疾患の治療を行ううえで最も重要なのは、「エビデンスにのっとった治療を選択する」ということです。エビデンスとは、該当する患者の病気に対して、その治療法が効くかどうかの科学的根拠、臨床的な裏付けのこ…