心臓マッサージの重要性がさらに広まれば救える命は増える
近年、増えている突然死の原因の多くは心臓疾患によるものです。5月に亡くなった歌手の西城秀樹さんも急性心不全が原因でした。
身近にいる人が急に倒れたとき、命を救うために効果的なのが「心臓マッサージ」です。回復が難しい末期がんなどの疾患を抱えている人は別にして、もともと元気な人が急に倒れたときは、心臓だけに問題があるケースが多いといえます。それだけに、心臓マッサージが重要なのです。
かつては、人工呼吸などで酸素を送り込むことが重要だといわれていましたが、いまは心臓が止まってもとにかく血液を循環させないと意味がないので心臓マッサージが有効なことがわかっています。
■血液循環を維持
心臓が停止して脳に血液が送り出されなくなる時間が5分を超えると、徐々に脳のダメージが進行して生存率が急に低下していきます。脳以外の臓器にはもう少し猶予がありますが、それでも、後遺症を含めて元の生活に戻れるレベルまで回復可能といえる時間は心臓が止まってから8~10分程度です。119番通報を受けて救急車が要請場所に到着するまでの平均時間は7~8分ですから、それまでの間、心臓マッサージを続けて血流を維持することができるかどうかが生死を分けるといっていいでしょう。