「教育費破産」安田賢治著
経済格差が子どもたちの進学に影響している実態を告発するリポート。
60年前の大学進学率はわずか8%足らずだったが、現在は5割を超え、短大・専修学校を含む進学率は、ほぼ8割となった。
一方で、国立大の学費が40年で5.6倍になるなど、学費は軒並み高騰。幼稚園から高校まですべて私立の教育機関に進んだ場合、費用の平均額は1700万円を超え、地方出身者が東京の私大理系に進学した場合は、3000万円になるとか。
経済格差が広がる中、学生たちは奨学金に頼るが、卒業後に返済できずに自己破産に至るケースが続出。奨学金破産の影響は、保証人となった親らにも及んでいるという。苦しむ学生とその親たちの実態と、高騰する教育費が格差の再生産をつくり出している現実を伝える。(祥伝社 780円+税)