バイオリニスト川井郁子の「空しい日々」を一変させた宮川泰

公開日: 更新日:

 どの道であれ、究めようとすれば、壁にぶち当たる。バイオリニストの川井郁子さん(46)は英デビューから帰国直後の18年前、「自分が本当にすべきことがわからず、悩んだ」という。その時、出会ったのが作曲家で和製ポップスの第一人者、宮川泰さん(故人)である。

 NHKのメーク室で鏡に向かっていたところ、「このアレンジはあいつだろ、難しいな!」などと大声で、怒鳴るような宮川先生の声が響いてきたのを、つい昨日のように覚えています。私は慣れないテレビ出演の緊張がさらに高まり、ドキドキしながら収録に向かいました。

 先生が音楽監督をされていたNHKの「ときめき夢サウンド」という番組。バッハの「トッカータとフーガ」をロック調にアレンジしたものを弾かせていただいたんです。「宇宙戦艦ヤマト」の交響曲とか難しいお顔で指揮されていたので、とても厳しい方なのだろうなあと思いつつ、弓を取り、演奏し終えたときでした。

「いやあ、いい!」と満面の笑みで、真っ先に褒めてくださったんです。私の印象とは真逆の、とても温かく、いつも駄洒落を言って周りを楽しませようという方でした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造