「THE MANZAI」優勝候補 「学天即」笑いのツボとは?
例えば、昨年の「THE MANZAI」で披露したのはこんなネタ。
「しょうもない自慢してくるやつが嫌い」と奥田が切り出すと、四条が「年間300本映画を見る」「映画見すぎて全然寝てない」としょうもない自慢を繰り返す。奥田がどれだけツッコミを入れても、四条の自慢は止まらない。
反論ばかりされる四条が「まさか濡れ衣を着せられるとは」と言うと、奥田は「おまえが濡らして勝手に着てんねや」と返す。四条が「すぐ揚げ足取ってくるやん」と言うと、「おまえが足あげてあんねん。そら取るやろ」と返す。このように、相手の言葉尻を捉えて返すツッコミを随所に挟むことで、2人の対立関係がより鮮明に浮かび上がってきて、面白さが倍増することになる。
予選1位通過で「THE MANZAI」の決勝に挑むことについて、奥田は「こんなに大人に期待されてだいぶ荷が重い」とコメント。優勝候補がすんなりと勝てるほど甘くはないのがこの大会。選挙戦に臨む立候補者と同じくらいドキドキしているはずの彼らの健闘を祈りたい。
(お笑い評論家・ラリー遠田)
▽らりー・とおだ 1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在はお笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。主な著書に「M―1戦国史」(メディアファクトリー新書)。