流行語大賞に なぜ「ダメよ~ダメダメ」は大ヒットしたのか
今年最もブレークした若手芸人といえば、日本エレキテル連合の2人しか考えられない。白塗りメークの朱美ちゃん3号というキャラクターが何度も繰り返す「ダメよ~、ダメダメ」のフレーズは流行語になった。今年のハロウィーンでは、渋谷の街に朱美ちゃんのコスプレをする若者が大勢集まっていた。年末にもあちこちの忘年会でこのネタを披露する人が出没しそうだ。
大ヒットした理由は、決めフレーズの面白さと見た目のインパクトだ。日本エレキテル連合は、衣装、小道具、メークなどのディテールに徹底的にこだわっている。使うかどうかも分からない大量の衣装と小道具を家にため込んでいる。その衣装やカツラからイメージを膨らませてキャラクターを作り上げていくこともあるという。すでに100種類以上のキャラクターがあり、朱美ちゃんはそのひとつにすぎない。
彼女たちのネタの隠し味になっているのは、タブーに触れる背徳的な魅力だ。実際、朱美ちゃんのあのコントも、話の筋を冷静にたどってみると、自分で買った女性のロボットを必死に口説く中年男性のドロドロした性欲と底なしの悲哀が感じられる。