すずきじゅんいち監督が語る 故・神代辰巳監督の圧倒的異才
日活ロマンポルノで監督デビュー、フリーに転向してからは映画「マリリンに逢いたい」などのヒット映画で知られる、すずきじゅんいち監督(63)。監督人生に大きく影響を与えたのは今は亡き、神代辰巳監督(享年67)だ。
■ワンカット、ワンカットが発見の連続
「日活に入ったのは神代監督がきっかけです。東大2年の時、神代監督の『一条さゆり・濡れた欲情』を見てあまりに面白いんでびっくりして。もともと監督になりたいという願望はあったから、日活が助監督を募集するって聞きつけて応募。入社した時は『東大の倫理学科出たやつが助監督になった。そのギャップが面白い』とテレビの深夜番組に出たり、新聞の取材もずいぶん受けました。その時が一番売れていた時ですね(笑い)」
初助監督作は曽根中生監督「続・レスビアンの世界―愛撫―」(1975年公開)だった。
「助監督はチーフとセカンドの2人制で新人の僕はサード。曽根監督は何にも知らない僕に『おまえ、この役やれ』っていきなり役者をやらせた。面食らっちゃったね」