元中津江村村長の坂本休さん “カメルーン愛”は今も不変
間違いなく、一時は“日本で一番有名な村長”だった。02年の日韓サッカー・ワールドカップの際、村でキャンプを張るはずだったカメルーンの来日が予定より大幅に遅れ、そのスッタモンダぶりが連日大きく報道された大分県中津江村の坂本休元村長(85)だ。「W杯(中津江村)」はその年の新語・流行語大賞年間大賞に選ばれたが、命が縮む思いを味わった坂本村長、今どうしているのか。
■“カメルーン命”は今も不変
「遠くから、ようこそお越し下さいました。どうぞこちらへ」
熊本空港から北へクルマで1時間半。大分県日田市中津江村合瀬の「地底博物館鯛生金山」を訪ねると、坂本さんに2階事務所に案内された。
デスクにはカメルーン国旗をイメージした山高帽が置かれ、壁には同じくチャンチャンコが掛けられている。
「14年経っても、カメルーンのことはひと時も忘れたことはありません。ワタシは自称、“日本人のカメルーン人”なんですよ、ハハハ」
そう、坂本さんといえば、やっぱりカメルーンがすぐ結びつく。ちなみに、「村長」は05年5月に中津江村が日田市と合併したために失職。中津江村は「中津江町」になるはずだったが、村民から「地名はそのまま残して欲しい」という声があがり、また、村名自体が「日本だけじゃなく、世界に通用するブランドだから」と残すことになったという。