内藤剛志の“気合”受け止めた 北大路欣也の意外な世話好き
■斬られ役と骨董商の役でゲスト出演
逆に僕が主演したNHKの時代劇「はんなり菊太郎」には2度ゲストで出演してくださった。
1回目の時は「内藤君だから出る」とおっしゃって僕に斬り殺される役。北大路さんは今も「僕は生涯で2回しか斬られていない、もう1回は『座頭市』の時」と。ただ、あの時は「あなたに斬られたい」って言うので、「先輩、勘弁してください、畏れ多くも欣也さんを斬るなんてできません」と断ったのですが、「存分に」とおっしゃって(笑い)。
そして、2回目はなんとカメオ出演。骨董商の役でセリフは一言だけ。それだけ認めてもらっているのかと思うとありがたい話です。
とにかく学ぶことばかり。殺陣師をつけて、それをすぐに再現、私が言うのもなんですが、その立ち回りがとっても凄みがあってお上手。
それで圧倒されて、ある日、楽屋に伺ったことがあるんです。「内藤です」と言ったら、「入りなさい」と言われて、「先輩、どうやったら、あんなに素晴らしい立ち回りに近づけますか」って聞きました。そうしたら、「内藤君、それは簡単。立ち回りをやらないと食べられないからだよ」って。それがストンと腑に落ちて、「失礼しました~」とお礼を言って引き揚げました。