著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

オナラ音は本物 お笑い一徹の志村けんは細部にもこだわり

公開日: 更新日:

 小説を書いたり、ドラマに出たり、お笑いの世界ではマルチな才能を生かして幅広いジャンルで活躍する人も増えてきている。そんな中で、頑固一徹、ひたすらいちずにお笑いだけを貫いている異能の芸人がいる。コント一筋40年の志村けん(66)だ。

 彼は1974年にドリフの一員となってから現在まで、コント番組を毎週やり続けてきた唯一の芸人だ。最近ではNHKのコント番組「となりのシムラ」も話題になったが、著書「変なおじさん」(日経BP社)を読むと、彼のお笑い一筋の生きざまがうかがえる。

 子供のころから笑いが大好き。ラジオ体操の時間にはわざと左右逆の動きをしてみんなを笑わせていた。初めてクラス会で披露したのが「酔っぱらい」のコント。一番最初にやったコントが、のちに代表作となっている酔っぱらいネタというのが不思議なものだ。

 高校の時にいかりや長介の自宅に行き、頼み込んでザ・ドリフターズの付き人になった。地方巡業に同行し、新幹線が停車している1分の間に重い楽器を何十個も積み込む力仕事に苦戦した。給料もほとんどなく、メンバー5人の食べ残したラーメンをかき集めて1人分にして食べていたこともあった。

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