映画「海よりもまだ深く」の是枝監督 ロケ地と家族を語る
阿部さんの(演じる)良多は、僕の人間としての小さい部分を存分に出しましたが、阿部さんがやると多少笑えるというか救われる。末っ子長男は一番タチが悪いんです。母親からとにかくかわいがられるので、それを嫁さんにも求めるんです。子供の頃から周りが全部自分のためにしてくれる。座ってればご飯が出てきて、食べ終わったら姉ちゃんが片付けてくれて。一番夫にしちゃいけないタイプ。僕も末っ子長男、何ひとつしない。「そういうのは苦にならない」と言ってた嫁さんも、子供ができた途端に邪険にするんだよね(笑い)。
映画には実話の部分もあるけど、これはあくまでフィクションです。そう言わないと、姉に「家族の思い出はアンタだけのものじゃないんですから」と言われちゃうので(笑い)。
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取材冒頭、「毎日買ってます」と挨拶してくれた是枝監督。この映画では本紙日刊ゲンダイの登場シーンもある。「意識的に『日刊ゲンダイ』にしました。応援してます」とうれしいお言葉。ストーリーと共に注目だ。