かまいたち濱家隆一 辛酸なめた少年時代の“ソウルフード”
それでもとりあえずはお腹がふくらみます。スーパーで買うと、うどん粉は1キロで100円とか120円くらいやったかなあ。お米の半値以下、断然安いんです。
■戦時中のスイトンの方が…
ところが、家族がそんな生活してるのにオトンはあちこちに借金をこさえてたみたいでね。僕が小学校に入ってすぐですわ。姉ちゃんと留守番してたら、パンチパーマのキッツイ顔したオバはんが目を吊り上げて「金返せ!」言うて押しかけてきた。しかもオトンがおると思うたんか、土足でズカズカと畳に上がってきたのにはビックリしましたわ。姉ちゃんが毅然と「お父さんはいません。帰ってください」って言うたもんやから、家のなか一回りして渋々出ていかはったけど、本物の鬼が来たんかと震えあがったもんです。
そんなことが続いたもんやから、さすがのオカンも愛想尽かして、小学2年の時に家庭裁判所に申し立てて離婚。受理された時点で夜逃げ同然に引っ越しました。そんでも生活は変わらへん。薄いスイトンにも具なしお好み焼きにも、ずっとお世話になってたな。