股間に自打球直撃で大悶絶の大谷…投手としての照準はあくまでプレーオフ MLBも「二刀流」後押し
「ペースダウンさせるのが賢明。シーズン中盤や最も重要な終盤に、彼にとって意義のあるイニングを投げるのが目標だからだ」
日本時間10日、ドジャースのロバーツ監督がこう言った。「彼」とは大谷翔平(30)のこと。2月26日のブルペン投球を最後に、投球プログラムから遠ざかっていたことに関してだ。
大谷は当初、5月の投手復帰を目指していたものの、投手としての調整を「ペースダウン」することになった。2023年の右肘手術明けで、オフには左肩にメスを入れたばかり。しかし、調整を遅らせる理由は、単に心身の負担を減らすだけではない。ロバーツ監督が言うように、「最も重要な終盤」にベストの投球をさせるためだ。現地特派員が言う。
「シーズン終盤というか、正確に言えばプレーオフですよ。ドジャースは先発候補が山ほどいるうえ、オフには昨季、パドレスやレンジャーズで抑えを務めていたスコット(30)とイエーツ(37)を獲得。リリーフ陣も万全になった。戦力からいっても、162試合のレギュラーシーズンの長丁場で結果を出すのは確実です。ワールドシリーズ連覇を目指すうえで最大の難関は、短期決戦で何が起こるか分からないプレーオフ。実際、昨シーズンは初戦の地区シリーズで、パドレスに先に王手をかけられた。なので大谷にはプレーオフでベストのピッチングをしてもらいたいのです」
大谷は日本で行われる開幕シリーズ終了後、米国に戻ってから本格的な投球プログラムを再開するが、正確な復帰時期はまだ決まっていない。本人の体調と相談しながら復帰のタイミングを計るという。
「通常、投手の枠は最大13人ですが、二刀流枠の大谷が投げれば、他球団より1人多い14人を投手として起用することができる。ドジャースはひとつのミスで流れが変わるプレーオフで、この二刀流枠を最大限に有効活用したい。首脳陣は大谷がプレーオフでベストのピッチングをできるような復帰時期を探っていくはずです」(同)
あくまでも照準はプレーオフに合わせる。ドジャースの流動的な起用法を可能にしているのがMLBが定めた二刀流枠だ。大谷が投げなくても、他球団同様、投手を13人使えるのはデカい。
それまで「投手」と「野手」に限られていたロースターに新たに「二刀流選手」が加わったのは2020年から。大谷がベーブ・ルース以来の二刀流選手として注目されるようになったからだ。