かまいたち濱家隆一 辛酸なめた少年時代の“ソウルフード”
小学4年の時の授業参観やった。太平洋戦争時代の庶民の暮らしぶりを学ぼうというテーマで昼食を作ったんです。メニューはスイトンと具なしお好み焼き。他の子はそんなん見たことないもんやから「昔の人は苦労しはったんやなあ」言うて食べてたけど、それウチの定番やないですか。おまけにそのスイトンの方が具が多い。
思わずオカンの方見たら、よほどバツ悪かったんやろね。よそ向いて目ぇ合わせようとせんかった(笑い)。
■服は姉ちゃんのお下がり
それから服もね、特製やった。姉ちゃんとか誰かのお下がりの長袖服がベースで春、夏になると袖を切って七分、五分、半袖とだんだん短くしていく。そして秋冬になると今度はそれを復活させる。1着で1年過ごすんですから凄いですわ。
靴もね、キャラクター入りは高いでしょ? せやから無地を買うてきて甲のところに「アンパンマン」とか「ドラえもん」とかオカンが描いてくれる。素人がマジックで描くんやから嫌に決まってますよ。ほんでも今から思うと、切ない親心やったんやろね。