役者の道ためらう加藤頼の背中を押した父・加藤剛の一言
でも、そんな長い時間じゃないけど、自分で考えて答えを出して「役者をやってみたい」と伝えました。そうしたら「おまえの責任で頑張ってみなさい」と言ってくれました。
今も学ぶことは謙虚さですね。昨日の芝居、明日の芝居と頭の中はいつも芝居のことばかり。体力の衰えはあるし、自信がないのか、お客さんにきちんと作品のメッセージを伝える芝居をしても「あそこはダメだった」と言ったりします。僕が「こうした方がすてきかな」と言うと、「そうだな、ありがとう」と聞いてくれることもある。あの謙虚さを学んで実践していきたいですね。
長男の本名は「剣客商売」の秋山大治郎から取って大治郎、僕は「風と雲と虹と」の平将門の幼名の小次郎から。どちらも父が演じた役です。「頼」は芸名で、三男が生まれたら付けられていた三四郎と、大学の恩師の夢に出た「頼」を合わせた「頼三四郎」の芸名で10年くらいやっていました。それを本名の加藤にしようとした時に、「せっかくだからそれまで覚えてもらった頼を名前にしよう」ということで、今は「加藤頼」として舞台に立っています。