「鬼平犯科帳」終了 時代劇衰退で“社会荒れる”と危惧の声
人気時代劇シリーズ「鬼平犯科帳」(フジテレビ系)が12月3日の放送で28年の歴史に幕を閉じた。民放の時代劇は「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」「子連れ狼」など軒並み終了。NHKの大河こそ根強い人気を誇るが、民放のゴールデン枠はテレ東の「石川五右衛門」のみだ。
実は、時代劇が消えていくことで弊害がある。大人も子供も荒れているのは、時代劇衰退の影響だという。TV番組に関する多数の著書があり、番組の企画も行うフリーライターの岩佐陽一氏に聞いた。
「時代劇の典型的な筋書きといえば、勧善懲悪、因果応報です。小さいうちから何げなく見続けることで、『悪いことをしたらいけない』という教えを学びました。善悪の基準は人によって異なるとはいえ、人を殺したり盗みを犯したりするのは、よくありません。絶対的にダメなものはダメ。そういうことをしたら、必ず自分にはね返ってくるという意識が、時代劇を見ることで培われるのです」
30代以上は、小さいころドラマやアニメを見たいのに、両親や祖父母にチャンネルの主導権を握られ、時代劇を見て育ったはず。「つまんない」と渋々ブラウン管を眺めていても、悪さに手を染めた悪代官が「御用だ、御用だ」と追い詰められて奉行所で裁きを受けると、なぜかスカッとしたものだろう。