「鬼平犯科帳」終了 時代劇衰退で“社会荒れる”と危惧の声
ところが、時代劇は下火になり、大人向けも子供向けも何が善だか分からないドラマばかり。そこに競争社会や格差社会で相手を蹴落とす意識が重なったら、大人も子供も軸を失って荒れるのは無理はないだろう。
「時代劇に描かれる生活には、電気も水道もなく、車もありません。代わりにあんどんで文字を読んだり、川の水や井戸から水をくんだり、かごを使ったりしていました。人と人とが助け合うシーンがよく見られます。テクノロジーが発達する前の暮らしを知り、今の便利さのありがたみに気づけば、モノを大事にしたり、助け合ったりする精神や人情が芽生えます。そういうことを子供に教えるには、もってこいの題材が時代劇だったのです」
時代劇衰退が、世の中が荒れる原因のすべてではないが、これほど強烈に勧善懲悪をテーマにする題材はほかにない。そう思うと、こんな見方もあながち無理筋ではないだろう。