叔父は上岡龍太郎 兄弟漫才の新星「ミキ」のポテンシャル
漫才とは会話の芸である。漫才師の中に夫婦や兄弟でコンビを組む人がいるのは、親しい関係であれば初めから会話のリズムが噛み合っているという利点があるからだ。
日常的に会話をしていて、お互いのしゃべる間合いが体で分かっているため、漫才の中でも自然な感じで会話を進めることができる。それが夫婦コンビや兄弟コンビの強みだ。
中川家に続く兄弟漫才師の新星として注目されているのがミキの2人だ。昨年末の「M―1グランプリ」では、初めて進んだ決勝で最終3組にまで勝ち残り、その名を一躍全国区に知らしめた。
彼らの漫才の魅力は、もちろん兄弟ならではの息の合った掛け合いである。ボケ担当の弟の亜生(29=写真左)が変なことを言うと、すかさずツッコミ担当の兄の昴生(31=同右)が甲高い声でそれを訂正する。それでも亜生がとぼけた様子を見せていると、どんどんツッコミの語気が強まり、感情もヒートアップしていく。
ネタの設定や発想にはそれほどとっぴなものがあるわけではない。むしろ、今どき珍しいほどシンプルな形のボケを平気で繰り出してくる。ただ、2人のテンポのいい会話の中でそれが不意に出てくると、思わず笑いがこみ上げてくる。