山口達也とTOKIOの会見 ジャニーズ幹部の姿なかった不思議
ただ、やはり今回の場合でいえば、事務所幹部が出席するのがベストだったと思う。山口の会見では、山口の稚拙さや情けなさが露呈された。さらに言えば、その後のTOKIOの4人の会見は不要だったという意見もある。今後の具体的な活動については何も語られず、時期をズラしてでも、何か発表できる段階になってから会見に臨むべきだったというのが理由だ。
だから、冷静に振り返ると、「あの会見は何だったのか」という疑問の声が上がるのも当然だといえる。ガス抜きか? 日本社会には悪しき慣習ともいえる“連帯責任”を問う声がまだまだ多い。何についても会見を要求するマスメディア。それらに応えたということなのだろう。これも日本の芸能界の習慣だから、仕方ないのかもしれないが、内容が空っぽの会見だからこそ、余計に事務所幹部が表に出てきて謝罪すべきだったように思う。
それにしても、現役所属タレントの強制わいせつ事件というジャニーズの歴史の中で例を見ないショッキングなスキャンダルに、事務所も所属タレントも動揺を隠せなかったのは明らか。SMAP解散騒動以降、マイナスイメージが強くなったジャニーズ事務所。今回の事件をめぐる今後の対応が将来を占う試金石になるのは言うまでもない。
▽ささき・ひろゆき
元フライデーの敏腕記者。現在も週刊誌などで取材活動を続けている。