「飲んで元気だせよ」と差し出された郷愁誘う“プラッシー”
RCサクセション一行は、いったんツアーに出かけると1週間以上は東京に戻れない。メンバーやスタッフ、舞台監督、音響、照明、ローディー(楽器の手配)も含めれば、総勢二十数人。片岡さんも衣装係としてツアーに同行していた。ライブ後の食事は、家族だんらんのような雰囲気だったという。
「ツアーの食事会の席では、清志郎さんはビールでした。食事が終わると、サックスの梅津和時さんや片山広明さんらはジャズの店に出かけるのですが、清志郎さんやチャボさん(仲井戸麗市)、リンコさん(小林和生)らはホテルへと戻り、清志郎さんの部屋で当日のライブの録画を静かに、しつこく(笑い)見るのが夜の過ごし方でした。時にはスタッフも見にきて、いろいろ意見を交わすこともありました。各自の飲み物がなくなると、清志郎さんは部屋に置かれた冷蔵庫からお酒を取り出し、『遠慮せずに飲みたまえ』なんて面白い言い方で、よくごちそうしていました。別に威張って言っているのではなく、わざとふざけて相手に気を使わせないようにする彼なりの配慮でした」
片岡さんも飲み物をもらったことがある。