この寄席を存続させるのが、あたしの役割だと思ってます

公開日: 更新日:

 好楽の落語家人生はさまざまな挫折を経て現在に至っている。振り返ってみると、今どんな思いがあるのだろうか。

「そうですね。やっぱり彦六、円楽という2人の師匠を持てたのが幸せだったなあ。この2人はよく似てるんです。彦六師匠は『とんがり』とあだ名されるほど怒りっぽい人でしたし、円楽師匠もしょっちゅう切れて怒られた。彦六師匠には23回も破門を宣告されたし、円楽師匠は2度破門の危機がありました」

「笑点」の収録時に、司会者だった円楽から「やめちまえ」と言われ、「やめますよ。やめればいいんでしょ」と反発したことは前述したが、2度目があったとは。

「何が原因だったのか、忘れちゃうくらいささいなことでした。あたしは落語家をやめるつもりで、師匠のお宅へ出向きました。覚悟を決めたあたしの様子を見て、ただ事じゃないと思ったんでしょうね。こっちの意気をかわすような温和な表情で、『ご飯、食べてくかい』と言われたんです。一瞬で懐柔されました。そういうところは師匠にかないません」

 一般的には知られていないが、彦六は三遊亭円楽を名乗っていた時期がある。彦六の最初の師匠は三遊亭三福で、前座名は福よし。何度か改名して、大正8年に3代目三遊亭円楽を襲名し、その後、蝶花楼馬楽を経て昭和25年に林家正蔵を襲名したのである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 2

    小芝風花は大河「べらぼう」とBS時代劇「金と銀2」“NHK掛け持ちW主演”で大丈夫なの?

  3. 3

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?

  4. 4

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  5. 5

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  1. 6

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 7

    吉沢亮のアサヒビールだけじゃない!業界別CM「絶対NG」のタレントたち…ケンカ、運転事故、不倫はご法度

  3. 8

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 9

    【福井県おおい町】名田庄の自然薯そばと「大飯温泉」

  5. 10

    確率2%の抽選で10万円で永住権を手にした在米邦人が語る 7億円「トランプ・ゴールドカード」の価値