台本なしの副音声「どこの馬の骨とも分からない男に…」
その流れで、第4話からは副音声も兼ねることになった。
「草ケ谷大輔プロデューサーからは副音声を設けた経緯も含めて“なにもかもぶっちゃけていい”とお墨付きをいただきました。テコ入れだということも視聴率の話も他局のドラマの話題もOKだと。とにかく、コンプライアンスとか人としての常識とか、最低限のルールさえ守れば、ザックバラン過ぎるぐらいのぶっちゃけトークで大丈夫なんだって思ったら、肩の荷が軽くなりましてね。客前でのアドリブやフリートークなら舞台で散々やってきたことですから。わざわざチケット代を出して舞台を見に来てくれている人と、わざわざ副音声を聞いてくれる人は、本質的に近しいと思ったんです」
「HERO」(2001年)の現地リポーター役でドラマデビューして17年。16年放送の「仮面ライダーエグゼイド」(テレビ朝日系)では敵役の怪人に変身する前の幹部役で準レギュラーの座を射止めた。これまでに幾度かブレークの兆しはあったのだが……。
「コンフィデンスマンJPのポスターには僕の姿も名前もありません。まぁ、これは五十嵐の参入自体がシークレットだったので仕方がないんですが。できれば、放映前から宣伝しまくりたかったので、名前を売るという意味ではもどかしかったですね。それでも、ドラマのチームの皆さまからは一貫してレギュラー扱いしていただいた大変ありがたい貴重な作品。ある意味それで十分満足ですし、小手伸也というより五十嵐に人気者になってもらいたい。そういう考え方がまずいんですかね(笑い)」(つづく)