お付き合いしたプロ野球選手で一番最低だった“巨人キラー”
よくよく思い返してみれば、店に来るときは必ずスポンサーと一緒で、ホテルは球団が用意しているし、彼が身銭を切ることは一切ありませんでした。和服で出勤している私は、急にホテルに来るよう言われると大変。いかにも昨日の情事を思わせる髪形では帰れず、翌朝ホテルの美容室で髪をセットしてから帰ったり……気もお金もそれなりに使っていたのです。
お嬢さんがいると伺い、成人式に向けて呉服屋さんでは「これだけ立派な晴れ着を着たら目立ちますよ」と言われた100万円ほどの着物を送りましたが、何の連絡もなし。姫に来るお客さまはプレゼントを送ればすぐお礼の電話が来て、さらに奥さまからのお礼状もいただくことがほとんどなのに、もらって当然だと思っていたのでしょうか。時が経つほど彼に対する印象は悪い方へ傾いてしまいます。
この世にいない人に唾を吐くのもなんですが、一流の方は常に感謝の心で接し、感謝を常に相手に伝えますが、あの方だけはそういう素養を全く感じませんでした。もしかしたら選手から解説者、監督と人生の進路が変わってゆく中で成長されてはいたのかもしれませんが、それも私の耳には入ってくることはありませんでした。私がお付き合いした野球選手の中でいちばん残念な印象が残っています。
(つづく)