エンタメに競合なし 「百恵買ったら聖子買わない」はない
小劇場ブームを牽引した、第三舞台、劇団☆新感線という2劇団にプロデューサーとして関わってきた細川展裕氏(60)が初の自叙伝「演劇プロデューサーという仕事」(小学館)を出版した。現在、新感線の舞台「メタルマクベス」は5カ月に及ぶロングラン公演中。演劇人生35年、同級生の演出家・鴻上尚史氏や新感線のいのうえひでのり氏らとともに歩んできた。食えないものとされていた演劇を「食える演劇」にする技術を直撃した。
演劇に関わったのは26歳のとき。幼稚園時代からの同級生・鴻上尚史氏に誘われ、レコード会社の営業から第三舞台の制作に入った。
「23歳の時、初めて鴻上の芝居に誘われたのがきっかけでした。感想を聞かれたときに『鴻上らしい』とだけ言いました。今も変わらないんですが、僕はもともと演劇に興味がなかったんです。その頃、演劇が好きで手伝いたい人は山ほどいたと思うけど、サラリーマン経験があって、冷静に制作をやってくれるということで僕を選んだんだと思います。今も仕事として芝居を見るけど、途中で寝ちゃうこともありますよ(笑い)。鴻上とは幼稚園から一緒で、両親の顔も知ってるし、私がカネを持ち逃げしないだろうという信用もありましたしね」