父より人気…勸玄は“海老蔵の息子”から一人前の役者に成長

公開日: 更新日:

 正月は東京で4劇場、大阪も含めて5劇場で歌舞伎公演がある。最近の歌舞伎は新作が多いが、正月は落ち着いている。

 国立劇場は尾上菊五郎劇団の「姫路城音菊礎石」。飽きさせないが、とりたてて新鮮味はない。偉大なるマンネリで、これが大事なのだ。

 初日を待たずして全日完売となったのが、新橋演舞場での市川海老蔵の座頭公演。劇場の客席数が違うので単純に比較はできないが、いま最も客を呼べるのが海老蔵であることを証明している。もっとも最近は、海老蔵よりも息子・堀越勸玄のほうが人気あり、今月は昼・夜ともに出演。

 これまでの勸玄は新作で当て書きされた役に出ていたが、今月は古典の「極付幡随長兵衛」で、息子・長松を演じた。普段は劇団所属のプロの子役(という言い方も変だが)が演じる役で、セリフも長いし、何回も登場する。「海老蔵の息子」として添え物として登場するのではなく、劇の重要な登場人物としての出演だ。勸玄は来年、新之助になるが、すでに一人前の子役である。実際の父子で父子の役を演じるのは、簡単なようで、かえって難しいのではなかろうか。虚実を混乱せずによくやっている。夜の部では「十一世市川團十郎生誕百十年」の「牡丹花十一代」に勸玄と姉・麗禾も出て万雷の拍手を浴びていた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動