ジャニーズ事務所<2>アイドルも経営陣も世代交代の転換期
「特に個人で芸能活動をしていたわけではないので、事務所を退所してから新たに芸能界で生きていくのは難しかった。芝居も歌も経験を積んでいないので自信はないし、おしゃべりだって芸人のように気の利いたことは言えない。最終的に芸能界を辞めるしかなくなった」
今はグループ活動と個人活動を並行して続け、将来の進路先の指針になるように事務所の方針は変わってきているが、「アイドル」の肩書は別。人気が続けば脱アイドルができないまま年を重ねていく。嵐の大野もすでに38歳。活動休止の再来年には不惑の40歳を迎える。脱アイドルに向けた将来を決める時期と重なることも活動休止と無関係ではない。
■事務所創立から丸56年
ともあれ、現役トップアイドルの決断を最終的に「休止」という形で認めたジャニーズ事務所。その背景には高齢化のジャニー社長とメリー副社長から後継者へとバトンタッチする事務所の政権交代も透けて見える。すでにメリー氏の娘・藤島ジュリー景子(52)が実質、ジャニーズ事務所グループ全体の総指揮官として権限を持ち、昨年で現役タレントを引退した嵐らと同年代の滝沢秀明(36)が今年から関連会社の社長に就任。ジャニー氏のノウハウを引き継ぎ、300人を超えるというジュニアたちの育成とプロデュースに動き出し、すでに次々と新たなグループを舞台出演までさせている。