「恐怖のメロディ」じわじわ迫るストーカー女の“狂人化”
スポーツ解説じみた結果論になるが、危険回避のポイントはあった。女がバーで待ち伏せしていたのはエキセントリックな行動だ。相手の精神状態を疑うべきだった。狂言自殺で知人の医師を呼び、警察への通報を見送らせたのも失点だ。DJという人気商売で、本命の恋人を取り戻したいとの気持ちから穏便な解決を願ったせいで泥沼にはまってしまった。
心理学者によると、不倫の際に伏し目がちで「あなたの家庭を壊すつもりはない」と言う女は安全だが、男の目を見据えてこのセリフを吐く女は危険だという。後者は自分の本心を見抜かれないよう「凝視」でバリアーを張っているのだ。
イーストウッドの恋人は売名が目的というから修羅場にはならないだろうが、別れ話で「お金をちょうだい」と美川憲一に変身するかも。“ダーティハリー”の最晩年は大丈夫か?
(森田健司/日刊ゲンダイ)