密閉空間で襲いかかる「エイリアン」は最強のモンスター

公開日: 更新日:

1979年 リドリー・スコット監督

 公開から40年。誰もが一度は見たことがあるだろう。

 西暦2122年、宇宙貨物船が知的生命体からの信号を感知して3人のクルーが未知の惑星を調査、宇宙人の化石を発見する。生命体の卵を調べていたケイン(ジョン・ハート)に奇怪な生物が張り付き、リプリー(シガニー・ウィーバー)が反対するも3人は船内に戻る。やがてケインの腹部からエイリアンが出現して乗員が殺されるのだった。

 公開された1980年前後は宇宙ものの転換期だった。77年11月に「未知との遭遇」が宇宙との交流を題材にし、2年後の本作は宇宙人を獰猛(どうもう)な生物に描いた。82年6月には宇宙人との友情がテーマの「E.T.」と、南極基地が襲われる「遊星からの物体X」が公開されるなど宇宙人の位置付けは目まぐるしく変化。「宇宙人と仲良くしたい。でも怖い」がわれら地球人の本音か。

 本作が画期的だったのはまず宇宙船の内部構造。TVドラマ「宇宙家族ロビンソン」のジュピター2号のように小ぎれいでなく、原発施設みたいに配管がむき出しだ。乗員はホワイトカラーとブルーカラーに分かれ、ブルーカラーは不満たらたら。エイリアンは全身がヌメヌメし、頭部は女性器とペニスが合体したようだ。しかも体液が船体を溶かす。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…